忙しい保育者に学びの場を。オンライン研修「コドモンカレッジ」ができるまで

コドモンの取り組み 保育

コドモンカレッジ」は、時節に合わせたライブ研修と好きな時間に視聴できる研修動画を通して職員の学びの機会を提供するオンライン学習サービスです。2021年にリリースし、現在16,000以上の施設にご利用いただいています。
今回は、事業開発部コドモンカレッジグループの平井(写真左)と、コドモンカレッジの立ち上げを担当した佐伯(写真右)にコドモンカレッジ誕生の背景や、運営に込めた想い、今後の展望について聞きました。

【まとめ】
・コロナ禍を受けて「場所や時間に制約されることなく、すべての保育者が質の高い研修を受けられる環境」をつくるため誕生
・研修内容は現場の課題に即し、具体性を重視
・切り抜き動画、自学自習モードなど、現場の声をもとに生まれた機能・取り組みも多数
・今後は研修の利便性向上や学びの標準化を進め、保育業界全体の質の底上げに貢献を目指す

佐伯遥馬
事業開発部 保護者事業グループ ホイシルチームマネージャー。高等専門学校卒業後、メーカーに就職。保育士経験を経てコドモンに入社。コドモンカレッジ、ホイシル、せんせいトークなど、新規事業の立ち上げを担う。

平井花音
事業開発部コドモンカレッジグループ所属。大学在学中からインターンとしてコドモンに勤務。人事アシスタントやカスタマーサポートを経て、新卒入社後はコドモンカレッジグループで主にマーケティングを担当。

すべての保育者に、質の高い研修を受けられる環境をつくる

ー立ち上げ当時の状況について教えてください。

佐伯:2020年、新型コロナウイルス感染症が流行した際、「Clubhouse」という音声SNSが流行していました。その中で代表の小池が、保育者の方々が集まるルームに偶然参加したそうです。すると、参加者の方々から「コロナの流行で集合研修などがなくなり、学びの機会が大幅に減って困っている」という声が多数寄せられました。

これを機に、「場所や時間に制約されることなく、すべての保育者が質の高い研修を受けられる環境をつくれないか」と考えるようになったのが、コドモンカレッジの原点です。その後、地方や離島など地理的な条件によって研修を受けにくい施設が存在することも改めて認識し、オンラインでの研修提供がこれらの課題を解決する有効な手段になると感じました。

ーそれまで、保育ICTを普及推進してきたコドモンとしては「保育の質」に直接関わるはじめてのサービスですね。

佐伯:そうなんです。そのため、立ち上げにあたっては、自社だけで進めるのではなく他の会社・団体にもたくさん知見をお借りしました。保育業界で長年の実績を持つベネッセを始め、さまざまな企業や施設と連携しながら、「どのような研修内容・形式が現場のニーズに合っているのか」、アイデアを出し合いながらサービスの骨格をつくり上げてきました。

当初はリアルタイムでのライブ研修を中心にサービスを展開し、その後、より多くの先生方が自分のペースで学べるように、いつでも見れる研修動画を充実させてきました。

コドモンカレッジ運営者01

ーちなみにコドモンカレッジは、何名くらいで運営されているのですか?

平井:現在は10名ほどで運営しています。研修の企画、マーケティングなど役割ごとにチームがわかれています。メンバーには3名ほど保育士資格保有者がおり、現場の事情や視点を活かして研修内容やサービス運営に反映しています。

保育者の気持ちに寄り添い、現場に落とし込みやすい研修を

ーコドモンカレッジの研修の特徴を教えてください。

佐伯:理論を教える研修も大切ですが、保育現場では「実際はそうじゃない」「もっとこうしてほしいのに」といったギャップが生まれることがよくあります。コドモンカレッジでは、そのギャップに寄り添うことを意識して現場に落とし込みやすい内容の研修をつくっています。

ー具体的にはどんなことを意識しているのですか?

平井:抽象論ではなく、具体的で現場感のある学びを届けるように努めています。例えば年に一度、コドモンカレッジが開催しているイベント「園長先生カンファレンス」では、「保育の質」「施設運営」「人材育成」という現場の3つの大きな課題に焦点を当てて、明日からすぐに使えるような内容を意識して講師の先生と相談しながら準備をしています。

佐伯:ただ情報伝達をするのではなく、「保育者の気持ちに寄り添い」「実務に活かせる形に昇華させる」のがコドモンカレッジの目指すところです。

平井:現場の先生方の声から新しい機能が生まれることも多いです。「リアルタイムで見るのが難しい」という声から研修の「見逃し配信」を始めたり、「動画の長さが50分あるのはちょっと長い」という声を受けて、15分で学べる「切り抜き動画」をつくったり。

職員の自主的な学習を促すための基礎研修「自学自習モード」も、「短い学習時間で、園内で共通認識を持ちたい」という利用者の声を元に開発しました。忙しい保育者でも効率的に学んでもらえることを目指しています。

ー実際に研修に参加された方の反応はいかがですか?

佐伯:ありがたいことに、現場に寄り沿った研修内容に共感していただけることが多いです。あとは、限られた人だけが参加する集合研修と違って、コドモンカレッジは「みんなで同じ研修を観て、意見を言い合い、次の保育をどうしていくか話し合えるところがいい」というお声をいただいております。コドモンカレッジ自体が職員同士のコミュニケーションツールのひとつになっているようです。

平井:私は訪問した施設の園長先生から、職員のみなさんがコドモンカレッジの視聴を通じて「自分を高め続けることも保育者の大切な仕事のひとつだと気づいてくれた」というお話をうかがったことがあります。コドモンカレッジは全国の施設で使われているので、他園と目線を揃えられるという意味でも安心感をお持ちいただけたそうです。利用者の方からは、安全管理や発達支援の研修が特に人気があります。

コドモンカレッジ運営者02

園長先生同士がつながるのための3日間

―「園長先生カンファレンス」についてもうかがいたいです。

佐伯:園長先生カンファレンスは、毎年オンラインで3日間開催している園長先生に向けた日本最大級の園長先生向け保育セミナーです。園長先生は責任が非常に重く相談相手もなかなか見つけづらく、孤独を感じている方が少なくありません。そんな現状に対して、何かできないかという想いがこのイベントの出発点でした。昨年は4,479名もの方にお申し込みいただきました。

平井:2022年の初開催以来、毎年内容の改善を続けています。2024年からは、LINEのオープンチャットを活用してリアルタイムでの意見交換や相互支援ができる環境を整え、参加者同士のつながりを強化しています。この双方向の交流が好評で、参加者からは「ひとりじゃないと実感できた」「明日からも頑張ろうと思える」といった温かい声を多数いただきました。

園長先生カンファレンス 見逃し配信

(「園長先生カンファレンス2025」の研修一覧。2026年2月末まで見逃し配信も実施)

佐伯:園長先生カンファレンス以外では、地域のコドモンの利用施設主導で開催いただいた「石川コドモン会」も印象に残っています。みんなで協力して保育業界、石川県を盛り上げていこうという意識が非常に強いチームだと感じました。会の中では、コドモンをしっかり活用していくにはどうすればよいか話し合い、コドモンへの要望も多くいただきました。コドモンの社員がその場で受け取って、ご説明できたので有意義なディスカッションができたと思います。

石川コドモン会

学びの機会を平等に。どこにいても質の高い研修を

ー今後、コドモンカレッジを通じて実現したいことはありますか? お二人それぞれの想いをお聞かせください。

平井:保育者のみなさまにとって、コドモンカレッジがもっと気軽に利用できる存在になることが目標です。研修というと、時間や手間がかかるイメージがあるかもしれませんが、コドモンカレッジでは、日々の保育の中で生じるちょっとした疑問や悩みをすぐに解決できるような、短時間で学べるコンテンツをたくさんご用意しています。切り抜き動画なども活用しながら、忙しい先生方でもスキマ時間に無理なく学べる環境を提供していきたいです。

将来的には、行政との関わりを増やし、行政と一緒になって保育の質向上や保育者の資質向上を目指していきたいと考えています。 現場の先生方が研修の機会を確実に得られるようにするためには、行政の仕組みの中に入り込んでいくことも必要不可欠だからです。行政の研修の中で、コドモンカレッジを当たり前に使ってもらうことを目指していて、実際に長野県中野市や新潟県新潟市のように、自治体研修としてコドモンカレッジを活用いただける事例も出てきています。こうした自治体をさらに増やしていきたいですね。

佐伯:私は、コドモンカレッジが保育業界全体の学びの質を底上げするプラットフォームとなることを目指しています。保育の現場は常に変化しており、新しい知識やスキルを習得し続けることが求められます。しかし、研修機会の地域格差や、個々の施設の状況による学習機会の偏りなど、課題も多く存在します。コドモンカレッジを通して、どこにいても質の高い研修を受けられる環境を提供することで、学びの機会の平等をつくることに貢献したいです。

また、今後は国や保育団体とも連携しながら、保育の学びの標準化にも積極的に関わっていきたいと考えています。個人的には、前述の石川コドモン会のようなオフラインでのイベントを全国各地で開催し、保育者のみなさまとの直接的なつながりをさらに深めていきたいという想いもあります。将来的には、海外の保育に関する最新情報なども積極的に取り入れ、日本の保育業界全体の発展に貢献していきたいです。

コドモンカレッジ運営者03

>「コドモンカレッジ」についてはこちら

>【見逃し配信あり】「園長先生カンファレンス」についてはこちら

>基礎研修「自学自習モード」についてはこちら

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